残り時間の話

2008年に、

『あなた癌です』

と告げられまして、運よくの早期発見で早々に切り取りましたら、ひとまずは事なきを得ました。自分に寿命があるとは、それまで全く思っていなかった私には衝撃的な出来事でした。知っている事と、理解すると言う事には違いがあるのですね。

そんな訳で、その後、

『残り時間を何に使うか?』

がとても大切な課題となりました。働き過ぎのワーカホリックから軸足を抜いて、もう少し時間の使い方を丁寧に考える事にしました。仕事はとっても面白かったのですが、サラリーマンは辞め、個人事業主となり、やる事とやらない事を自分で決められるようにしました。

一方で、食べる物を変え、運動をし、犬を飼い始めました。一緒に、毎日1時間の散歩に付き合ってくれる丈夫な犬です。インスタグラムの@snowcafe2015の投稿は、もともとはシフォンケーキ屋のアカウントではなく、淡々と毎日を楽しそうに暮らす、大きな犬とおじさんの田舎暮らしを披露するアカウントでした。

しかしながら、この優しい犬は、沢山の人達をこのログハウスに集めてくれまして、社会との接点を失わず、孤立せずに隠居生活が送れたのは、この犬のお陰です。そして、シフォンケーキを焼き続けるというモチベーションは、家に遊びに来てくれた人達に振る舞う事で、ずっと維持できたのです。

ミクが居なければ、『ほどけるシフォン』は生まれなかった。Snowcafeのロゴに2頭のワンコが登場するのは、そんな経緯からなんです。

アラスカンマラミュートというソリ犬、ミク(♀)

越前町という海に近い山深いところに住んでいました
この犬のお陰で、他人との接点を失わずに暮らせたと思います
2012/6/20
左がミク、右がテン